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リバースモーゲージについて
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リバースモーゲージとは
モーゲージローンとして、リバースモーゲージというものがあります。これもやはり住居の抵当権を担保としたものですが、利用の対象は高齢者が中心となり、主に老後の生活資金を得るために活用されます。
その仕組みを単純に説明すると、モーゲージローンと同様に住宅の抵当権を担保とした契約手続きを行った後、リバースモーゲージ利用者は定期的に生活資金を借り入れることができ、契約者の死亡時に担保とした住居が売却されて借入金を清算することができるというものです。これによって利用者は住居を手放すことなく、また、これまでと同じように担保とした住居に住み続けながら生活資金を得ることができるというメリットがあります。定年後の再就職が困難であることや年金受取額の減少、あるいは医療費負担の増大などといった現在の日本において、老後に不安を覚える人も決して少なくはないでしょう。そういった背景とも相成って、今や世界的に見ても急速に高齢化が進んでいる日本においてリバースモーゲージの必要性が強く叫ばれるものの、その普及はかなり遅く、今もなお一般的なものとして認知されているとは言い切れません。
しかし2003年以降では全ての都道府県においてリバースモーゲージの一類型として「長期生活支援資金貸付制度」を導入しており、実際の実施件数も年々増加していると言います。今後、リバースモーゲージに対する需要は、ますます大きくなっていくと考えられています。
リバースモーゲージの歴史
日本ではモーゲージローンとともにリバースモーゲージもあまり一般的に普及しているとは言えません。しかし、日本においてのリバースモーゲージの歴史は意外と古く、バブル全盛期には既に同様の形態をとった融資システムが存在していました。当時のそれは、土地の譲渡益課税が厳しい状況で住宅を売却せずに住み続けながらも、そこからお金を引き出すための商品として脚光を浴びました。また、これと同じくして住宅の譲渡と引き換えに終身介護サービスを保証するシステムなども登場し、実質的にはリバースモーゲージとほとんど変わり無い商品が既に存在していたことになります。
しかしその後のバブル崩壊により、リバースモーゲージの需要は急激に低下していきました。90年代の後半になるとリバースモーゲージは再び注目を集めるようになり、老後の生活資金の確保が国民にとっての課題ともなりました。そういった懸念は年を経る毎に増大し、高齢化率をどんどん上げていく現在の日本のおいて重要な問題ともなっています。
リバースモーゲージの需要は、高齢者が増加すると当然高まります。かつては世界でももっとも高齢者人口が少ないと言われた日本も、今では世界でもっとも高齢化が進んだ国となってしまいました。高齢化の波はまだまだ留まらず、これから数十年はこれまでに例を見ないほどの高齢社会へ、日本は突入していくことが分かっています。これから先、リバースモーゲージがどんどん注目を集めていくとともに、その需要を高めていくことは間違いないでしょう。
リバースモーゲージと住宅ローンの違い
リバースモーゲージの仕組みについて詳しく触れながら、従来の住宅ローンとの違いを見ていってみましょう。まず、「リバースモーゲージ」という言葉は「逆」を意味する「リバース」と、「抵当融資」を意味する「モーゲージ」という二つの単語から成っています。つまり、「逆の抵当融資」と直訳することができ、簡単に考えると従来の住宅ローンとは逆の形で利用者へ融資するシステムであると言うことができます。
通常の住宅ローンでは、まず融資を受け、それに利息を加えたものを毎月返済していく形が普通です。返済に伴い借入元本が減り、最終的には借入額を完済するといったものです。一方リバースモーゲージの場合は、毎月一定額を支払っていく従来の住宅ローンとは異なり、毎月一定額の融資を受けることになります。つまり「毎月返済していく形」とは逆の「毎年融資を受けていく形」であるということができます。
通常であれば年毎に減っていくはずの借入残高は、リバースモーゲージでは増えていくことになります。そして契約者の死亡時や、また契約期間の満了を迎えた時点で、担保とする住宅を売却することによって借入額を清算するというわけです。こうすることによって、「毎月の返済」という経済負担を利用者が負わなくても済むことになりますが、やはりその対象者などが限定されてしまうといった面があります。システムそのものや、またその対象者などから考えて、従来の住宅ローンとは根本的に質の異なった融資ステムであると言えるでしょう。
老後の生活資金への懸念
現在日本は、国民の老後への課題が目白押しとなっている状態です。急速な高齢化により国民年金の受取額が削減され、それとは逆に医療費負担は大きくなり、これから先は税金の引き上げなども予定されています。高齢化が進めば、保険料もそれぞれ値上がりしていくことでしょう。加えて、定年後は就職が非常に難しい現状にあり、また、現在の中高年層においても企業リストラなどによって退職金が減少されることも少なくなく、老後に対する不安は煽られていく一方です。
60歳、70歳の高齢者を対象としたある調査によると、老後の生活について不安を抱いている割合が、2000年には60パーセントから70パーセント弱であり、2003年には約70パーセントから80パーセントと上昇しました。こういった数々の不安は現実的な問題として現在もなお深刻に取り上げられるものの、問題を根本的に解決するための対策や措置がとられているとは言い難く、各々の問題の解決には至っていません。それどころか、これから先ますます高齢率が高まっていくに連れて、こうした問題はさらなる重要性を帯び深刻な問題として国民に降りかかるのではないでしょうか。
今や公的機関の保証などはあてになりません。こういった現状において、老後の生活資金の確保にスポットライトをあてたリバースモーゲージのニーズが高まっていくのは至極当然のことであり、これから先は更にその需要を高めて普及していくものと考えられます。
リバースモーゲージの市場
リバースモーゲージの低い普及率とは対称的に、今や世界でも最大の高齢社会と化した日本は、その市場をもっとも大きく持っているものと言えます。しかし現実的にリバースモーゲージを利用するといった実施件数がまだごく少数であるため、確実に存在している市場は潜在的な数値として推測するしかありません。
現在、夫が65歳以上、妻が60歳以上である高齢者夫婦世帯数は385万世帯を上回ると言います。総務省の平成11年度全国消費実態調査報告によると、高齢者世帯の資産は4732万円とされていますが、住宅や土地のための負債残高118万円をそこから引くと、単純計算で高齢者世帯の純資産は平均として4614万円と見ることができます。高齢者世帯数を高齢者純資産額に掛け、更に全体の91パーセントとされる資産保有世帯を加味として加えて単純に計算すると、リバースモーゲージの潜在的市場は約178兆円か、それを更に上回る値であると考えられます。これからはこの隠れた潜在的市場が徐々に露出し始め、その規模を急速に拡大することが予想されます。
近年では2002年度に厚生労働省が全国的な規模でリバースモーゲージを導入すると発表し、その翌年には厚生労働省によるリバースモーゲージへの直接的な支援が開始されました。これによってリバースモーゲージへの関心は急速に加速し、その勢いに乗ってそれぞれの住宅会社などでもリバースモーゲージの商品開発が進められています。リバースモーゲージが当たり前になる時代も、そう遠くはないかもしれません。
リバースモーゲージの問題点
かねてから日本の高齢化問題は深刻な問題として認識されていました。しかし、そうであるにも関わらずリバースモーゲージという制度が低迷し続けた背景には、この制度が持つ問題点を挙げることができます。まず一つ目の問題点として、リバースモーゲージそのものが持つ三つの大きなリスクです。一つは「融資期間の想定外長期化リスク」であり、これは利用者が契約時に想定した期間を超えて長生きし、その存命中に借入額が限界を迎えてしまうといったものです。もう一つのリスクは「不動産価格下落リスク」で、これは担保とする住宅が契約期間中にその価値を下落させてしまうというもの。最後は「金利上昇リスク」で、想定外の金利の上昇によって担保割れが生じてしまうといったものです。こうしたリスクは貸し手にとって非常に不利なものであり、そのためにリバースモーゲージへの取り組みを長く停滞させる状態が続いてしまったと言えるでしょう。
リバースモーゲージの問題点としては「家屋の寿命が短いという日本特有の問題」も挙げることができます。中古住宅における市場は流通が望ましい状態であるとは言えなく、また、家屋そのものの価値が年を経るごとに著しく低下してしまうケースも珍しくありません。これは「モーゲージローンと住宅の財産家について」でも触れたように、日本人の住宅に対する意識が問題の根本的な原因ともなり、それによってリバースモーゲージ提供者が大きなリスクを負わなければならなくなるわけです。こうした問題は現在もなお存在し、これらがリバースモーゲージの有用性を殺してしまっている一因であると言えるでしょう。