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メリットとデメリットについて
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一般的な住宅ローン(銀行)のメリット
日本においては、住宅を購入する際には住宅ローンを扱った銀行にてローンの契約を結ぶことがもっとも一般的な形となっています。もちろんモーゲージがこれから普及していくにつれて、ローンの形態やローン利用者の意識などがどんどん変化していく可能性もありますが、やはり銀行の住宅ローンには銀行の住宅ローンのメリットとデメリット、モーゲージにはモーゲージのメリットとデメリットがそれぞれあります。それらについて触れながら両者を比較してみましょう。
まず一般的な住宅ローンにおけるメリットですが、やはり一番のメリットはその「安心感」ではないでしょうか。まだまだ日本では認知の低いモーゲージローンの場合だと、その品質や待遇などにどうしても不安が伴ってしまうでしょう。しかし、銀行における住宅ローンは既に一般に普及しており、実際に利用にあたっても各社のこれまでの実績や信頼から、安心してサービスを利用することができます。これは「銀行」の強さでもあると言えるでしょう。
とは言え、たとえば震災などによって銀行が深刻な経済的ダメージを負った場合、それらの保証が決して完全なものとして機能しないケースがこれまでに幾つか見られました。そのため、いくら銀行と言えども万能選手であるとは言えません。しかし、銀行にて扱われるサービスや商品の質の高さは、やはり随一のものとして評価することができるでしょう。それらは、銀行の金融、経済、資金などのシステムが括弧たるものとして確立されたものであるがゆえのものであると言えます。
一般的な住宅ローン(銀行)のデメリット
では、一般的な銀行などによる住宅ローンでは、どのようなデメリット面があるのでしょうか。一つには「住宅購入のリスクについて」でも触れたように、ローンの組み換え、借り換えなどが行いづらく、また、金利の変動などによって消費者が負わなければならない負担が大きくなってしまう可能性があるといったことです。これは金融のみならず、住宅をどのような価値基準のもとで取引していくかといったような不動産業界の動向にも多少影響されている部分があるでしょうが、とりあえずは一般的な住宅ローンのデメリット面として先に挙げることができるでしょう。
次に、ほとんどの金融機関において言えることですが、顧客が多すぎるために利用者それぞれにもっとも合ったプランの提供が難しいとされるといった面を挙げることができます。大抵の場合は選択肢が決して多いとは言えないプランの中から、利用者が自分にもっとも合ったプランを選ぶ──といった形が普通なのではないでしょうか。加えて先にも述べたようにローンの組み換え、借り換えなどが行いづらいといった背景があるため、実質的には利用者に本当に合ったプランが用意され、それがしっかりとケアされているといったケースなどはほぼ皆無であると言えるのではないでしょうか。
しかしその反面、住宅ローンのほとんどは生命保険を担保としているため、金融機関にとっては不良債権化の心配がほとんどありません。つまり、住宅ローンそのものがビジネスとしての色合いを強く持ち、利用者よりも金融機関を優先してプランが形成されているといった印象をどうしても持ってしまいます。そのため、生命保険を担保としたり、金利変動のリスクを負ったりと、本来であれば正当とは言い難いリスクを利用者が負わなければならないことになるわけです。
モーゲージローンのメリット
モーゲージローンを利用することで得られるメリットは様々ですが、その中でも利用者にとっても最も大きな意味を持つメリットと言えば、やはり従来の住宅ローンでは実現できない「リスクの回避」でしょう。これまでにも触れてきた通り、モーゲージローンでは住宅の抵当権をローンの担保とします。住宅の持つ資産価値そのものを価値基準とすることによって、本質的にローンのあり方が従来の住宅ローンと異なるのです。そのため、住宅ローンの場合は金融業者の「保険」として利用者の生命保険を担保とする場合がほとんどですが、モーゲージローンの場合は万一融資額の返済が不能になったとしても、担保とする住宅そのものを手放すだけで済ますことができてしまうといった事も可能となるわけです。
もちろん「住宅を手放す」ということは、決して簡単なことではありません。しかし今や企業の終身雇用が当たり前ではなくなった現代においては、いつ何時どんな災難が自分を襲うか分かりません。そんな時代において、やはり金利とともに長期に渡ってローンを支払い続け、生命保険を担保としながら返済し続けるというのには、それなりのリスクを負う勇気がいるのではないでしょうか。また、金利の変動などもローン利用者の心配事の一つともなりますが、モーゲージローンでは「モーゲージローンの仕組み」でも触れたように、投資家達が変動金利の負担を直接的に負担してくれます。こういった「リスク回避」は、モーゲージローンの最大の強みであるということができるでしょう。
モーゲージローンのデメリット
いくらリスクの少ないモーゲージローンとは言え、やはり万能ではありません。モーゲージローンにもいくつかのデメリット面はあります。その一つとして挙げられるのが、日本においてモーゲージを採用している金融会社がまだ非常に少ないということでしょう。そのため、モーゲージ債を証券化してもそれを購入する投資家達が少ないというのが現状ではないでしょうか。
モーゲージローンは、投資家が多ければ多いほどローンに伴うリスクを分散させることができ、ローン利用者にとって有利になると言えます。なので、投資家が少なければモーゲージローンはその利点を十分に発揮できないことになってしまいます。また、これまで何度も述べたように、モーゲージローンでは住宅の資産価値が重要となってきます。その「住宅の資産としての価値」の基準となるのが、住宅の機能性やデザインなどです。つまり、「流通に適した形の住宅である」ことが大切になってくるわけですが、近年、自由設計や注文住宅といったものが普通となりつつあり、奇抜なデザインや個性的なデザインの住宅を好む人も少なくありません。しかしこういった日本人の住宅に対する価値基準は、モーゲージローンの価値基準と決して相容れません。資産として住宅に求められる要素は個性や奇抜性などではなく、むしろその逆である「景観に馴染むデザイン」や「誰でも抵抗無く住むことのできるデザイン」となります。そのため、モーゲージローンを日本で一般化するためには、まず人々が住宅に対する意識そのものを根本から変える必要があると言えます。
住宅ローン、モーゲージローン総評
住宅ローンとモーゲージローンを比較すると、両者とも一長一短ではありますが、ローン形態としてモーゲージは非常に洗練されたシステムであると言えます。更に言うなれば、モーゲージは利用者の経済的負担を軽減させるばかりではなく、国や土地、地域の文化にも必然的に影響を与えるものであるとも言えます。こういった点などから、やはりモーゲージは住宅ローンとして従来のものよりも理想的な形であると言えますが、残念ながら現在の日本ではまだ一般的であるとは決して言えません。これは、多くの人の意識が「新築を購入するのがステータスである」というものを中心とし、「住宅を育てる」という概念が無いというところにもその原因を見出すことができます。また、一生のうちに何度も家や土地を住み替える米国民などとは違い、一つの地域、一つの家に定住したがる日本人の国民性にも由来しているのかも知れません。
しかし、近年建物を壊しては作り、作っては壊すといういわゆる「スクラップ&ビルド」に対する批判的な見方が強まっています。住宅に対する関心だけではなく、景観問題、延いては環境問題にまで思いを巡らせると、やはり新築を建てるために古い建物を壊し、建築物をどんどん消費するというやり方は、決して効率的であるとは言えないでしょう。住宅へ対する人々の意識が変われば、住宅ローンのあり方も変化するのも必然的であると言えます。「ローン地獄」という呪縛から解き放たれ、新たな価値観で住宅を認知する時代はそう遠くないかも知れませんね。