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モーゲージの基礎知識

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モーゲージとは?

モーゲージとは、住宅ローン証券化のベースとなるシステムであり、正しくは「モーゲージローン」と呼びます。このモーゲージローンは住宅購入の際に用いられ、特に欧米など海外諸国ではこういったシステムに基づいた不動産取引が主となっており、世界中で普通に見られるシステムです。日本においてはモーゲージローンを活用した不動産取引は一般的に定着していませんが、近年においては「未来型ローン」として徐々に注目されつつある風潮にあります。

日本では不動産取引、つまり住宅購入の際などは、生命保険を担保に資金を調達するケースが多いですが、モーゲージローンの場合は住宅の抵当権そのものを担保としてローンを組むことができます。これがモーゲージローンの最大の特徴であり、それによって回避されるリスク、また得られるメリットから、現在モーゲージローンに対する関心が徐々に高まっています。住宅の抵当権を担保とすることによって、たとえば借入金の返済が万一不可能となってしまった場合、担保となっている住宅が相当の価値を維持していればその住宅を手放すことによってローン返済と同等のものと見なされ、ローンを帳消しにすることも可能となってきます。こういったシステムは特にアメリカで盛んであり、モーゲージローン市場が普及し進展しているマーケットとして度々挙げられます。事実、アメリカの国内債券市場におけるモーゲージ担保証券の発行残高が全体の三分の一を占め、重要な経済指標として常々注目されています。

モーゲージローンの仕組み

さて、モーゲージにおいては現在のところ、アメリカが世界でもっとも大きな市場となっていますが、アメリカにおけるモーゲージ債発行の仕組みについて、少し触れてみましょう。

まず、モーゲージ債発行までのプロセスを段階的に簡単に記すと、最初に住宅購入者と金融機関での住宅ローンの貸出、また、それに伴う元利金返済などといった取引が行われます。金融機関はそれぞれ金利や償還期限など同様の性質を有した住宅ローンを集束し、それらをまとめたモーゲージプールと呼ばれるものを組成しています。このモーゲージプールに対して市場が、つまり投資家達が投資を行うわけですが、これによりモーゲージプールを証券化したものがモーゲージ債になるというわけです。このモーゲージプールに対しては政府系機関により一定のサポートがなされており、モーゲージ債に対する元利払いが保証されています。政府系機関としては大きくファニー・メイ、フレディ・マック、ジニー・メイと呼ばれるものがあり、もっとも歴史が古いファニー・メイに関してはなんと1938年から既に運営が開始されています。1968年に民営化され、それと時を同じくしてジニー・メイが米国連邦政府住宅都市開発省の出資によって設立され、やや遅れた1970年にフレディ・マックが設立されました。1980年代には既にモーゲージローンが一般化したアメリカは、やはり世界でも最先端の住宅取引システムを確立していると言えるでしょう。

モーゲージ審査について

住宅を購入する際などにモーゲージローンを利用する場合、モーゲージ審査というものを受ける必要があります。モーゲージの依頼はモーゲージ会社や専門の金融機関、銀行のグループ会社や別会社などによるモーゲージ部門にすることになりますが、そういったモーゲージを扱う機関に身を置くローンコンサルタントや担当員、モーゲージ・ブローカーなどに先ずモーゲージローン利用の旨を相談します。するとクレジットヒストリーなどのいわゆる信用実績や財政状況などから住宅ローン支払能力についての審査が行われ、その審査によって支払い能力が認められると、借入条件や借入限度金額などが記載された事前承認資格の書面が発行されます。この事前承認資格は「Pre-Approval」と呼ばれますが、これはきちんとしたモーゲージ審査を経た上でのものである必要があります。モーゲージ審査を受けないまま発行されたPre-Approvalではほとんど意味をなしません。また、中にはローンの宣伝のためなどに用いられるPre-Approvalもあるので、それらと混同してしまわないようにしましょう。

さて、モーゲージ審査を受けてPre-Approvalを取得したら、いよいよ物件探しに取り組むことになります。物件を購入するために実際にローンを組むのは、家探しを終えた次の段階でのことになります。物件を見定めたらPre-Approvalに記載された事項を参考に、ローン額とその返済プランなどを決めていきます。しかし、Pre-Approvalは住宅ローンに関した内容の全てを保障するものではないということは頭に入れておきましょう。

住宅ローンとモーゲージローンの違い

モーゲージローンを知るにあたっては、従来の住宅ローンとの違いについてもよく把握しておく必要がありますね。これまでの一般的な住宅ローンとモーゲージローンの違いとしては、大きく二つのことを挙げることができます。一つは資金の流通形態です。銀行などで扱われる住宅ローンでは貯金を集めたものを資金として利用者に貸付ますが、モーゲージローンの場合は貸付債権を証券化し、それを投資家に売却することによって資金を得るシステムになっています。そのため、モーゲージローンの場合だと従来の住宅ローンのような金利の変動などによるリスクは投資家が負ってくれる形となり、結果的に従来の住宅ローンなどではほとんど見られない三十年以上などの長期固定金利ローンが可能となります。従来の住宅ローンと比較すると、金利変動によるリスクがローン利用者に直接的に影響しないばかりか、より利用しやすいプランでローンを利用することができるというメリットも生まれるわけです。

もう一つの違いとして、ローン利用における融資の基準となるのが住宅そのものの担保価値であるということです。ローン債権を買うのは投資家達であるわけですから、再販価値の無い住宅や流通価値の無い住宅、あるいは利用価値の無い住宅などの場合だと、投資家達にローン債権を買ってもらうことができません。価値基準や住宅の定義などが投資家に委ねられることによって、市場がそれらを決定する仕組みになるということです。

現在の住宅ローンの問題点について

さて、モーゲージローンの仕組みと比較すると、現在日本で一般的とされている住宅ローンは何かとリスクが高いものであることが分かります。そういった面において日本は、住宅金融システムがまだまだ洗練されていないということが言えるでしょう。

住宅ローンのもっとも大きなネックは、ローン返済が長期間に渡るということでしょう。住宅ローンは普通、20年、30年といった長期間に渡り、その間に金利の変動や利用者の財政状態の変化などといった様々な事情がローンのリスクとして付きまといます。そういった利用者の状況や事情に合わせてローンの借り換えや繰り上げ返済などを利用して住宅ローンの見直しをすることはできますが、日本ではそういったことを金融機関が利用者に対して勧めることはほとんどありません。

一方アメリカでは利用者の財政状況に応じてローンの借り換えや組み換えなどが普通に行われています。これは、日本とアメリカでは「住宅ローン」に対する考え方が異なるといったことに加え、日本の場合だと住宅を購入した後、その住宅は財産としての価値が低下し続けるためであると言えます。住宅が財産としての価値を下げてしまうと、ローンの借り換えなどを行ったとしても住宅の担保価値が融資額を下回ってしまい、それによって利用者が負わなければならない負担が大きくなってしまうケースもあります。そのため、日本においては「新築物件であればあるほど住宅の資産価値は高い」とされるのが普通ですが、こういった根本的な部分から既に住宅の捉え方がアメリカやその他海外諸国と日本では異なると言って良いでしょう。

住宅購入のリスクについて

住宅ローンのシステムなどがどれだけ洗練されようとも、やはり住宅購入というのは購入者にとっては非常に大きな買物となり、また、生産者や金融業者など、それに関わる多くの人達にとっても非常に大きな取引となります。そのため、やはり住宅購入に伴うリスクというのは、いつの時も大なり小なり存在してしまうものです。

現時点で住宅を購入するにあたり、もっとも大きなリスクとして注目を集めているのが、住宅購入後の「不具合発覚」などです。住宅を購入した後に家に不具合が見つかった、欠陥住宅であった、また、家が倒壊してしまったなどといった場合、たとえば新築して間もない住宅などにおいて工事施工者に起因した欠陥などの問題が発覚した場合やそれにより危険性が認められた場合などは、品確法における瑕疵担保責任によって、その責任は生産者に問われることとなります。瑕疵担保責任に制定されるところによると、新築住宅などで普通に要求される品質を欠いた欠陥、瑕疵があった場合、売主が買主に対して責任を負うこととなり、売主は物件に対して10年間の長期保証が義務付けられています。しかしこういった制度は万全のものとは言えなく、結局は購入者も少なからずリスクを負わなければならないことになるというのは、これまでの数々の欠陥住宅問題によって問題視されてきました。

モーゲージローンなどの利用により、金利変動のリスクなどといったローン自体のリスクは回避できても、住宅そのものに関するリスクにおいては数々の課題が残されていると言えます。ローンを組む際はそういったところにも目を向けて、後悔しない取引をしたいところですね。